【会田誠のつくるもの】 「Study:大阪関西国際芸術祭 Vol.3」@船場エクセルビル大阪船場エクセルビル

 



会田誠さんは美術作家として生きていないから、そのつくるものはすーっと頭に入ってくる。心に染み入るのではなく、頭の中という自宅でこたつに入っているかのごとくいつの間にか鎮座している感じだ。

 

会田誠さんの作品

 

 

 

会田さんのことを何一つ知ってはいないのにそのように決めつけるのも失礼な話だが、同じような表現をしている他作家の作品群とは一線を画していると、彼の作品に出合うたびいつも思う。一つの絵画表現も、その展示方法も、一見誰でも作れそうで、美の程度に大きな差があり、今展の梅干しの絵も単なる静物画ではなく、食とは人との関わり合いの中で味わうものだということを、映像も含めた会場全体のインスタレーションで伝えているようだ。

 

会田誠さんの作品

このような表現は多くの場合ゴミのように思えて拒絶してしまいがちだが、彼のつくるものはコンポジョイションが律せられていて、美しい。というのも美術をつくろうとしているのではなく、彼が今考えている自然体の生活を表現しているからなのだろう。美術作品として構図を調整するのではなく、その位置や傾きを生活の一部であるかの如く決めているからではないか。その感性をほしいと私は願う。

 

 

梅干しの絵の画力の凄さにも注目したい。この平面で真っ先に感じたことは美大進学デッサンの基礎の王道ではないはないかということに注目した。「球」ってこのように見てこのように捉えるんだよ、って、今となっては大御所となって学びのスタート時点にはいない絵描き手が童心に戻って楽しんで描いている姿が信頼できる。つまり絵画芸術として成立させようという意思が感じられないことがむしろ絵画としての凄みになっていると思う。幾何形体としての量感を表現するために、その物体の個的質感を、色相・明度・彩度・色価を駆使して描きだそうとしている姿が爽やかに伝わる。だから決して仕上がってはない点が、本当の意味で絵が生きていると思うのです。

 

 

 

 

 

 

 この展覧会を見た後、懐かしいカレー屋さんの前を通ったので、思わず立ち寄って食した。久しぶりのその味は変わらない美味しさを覚えたけれども、気の許す人と食せたことは更にいい味わいであった。会田さんもだからこそで空間を演出していったのだと思う。

名物インディアンカレー(ハーフサイズ):自由軒

〆限定のハーフサイズの販売がありました

 

大阪関西国際芸術祭 Vol.3

 Study:⼤阪関⻄国際芸術祭 vol.3 は
「令和5年度⽇本博2.0事業(委託型)」です。

 

会期延長!


船場エクセルビル 

住所:大阪府大阪市中央区久太郎町3丁目2−11

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