2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

つくるさいの位置 クロード・モネ展 ~連作の情景~

モネの大きな展覧会が大阪中之島で開かれています。 過去何度も取り上げられた画家であっても、学芸員の方々はご自分の切り口で作家を検証すべく新しい切り口の見解を共有しようとされます。今回も、使い古された連作を、今までとは違った表示に苦労された跡…

下地をつくる

これまで幾度となく見ていたので食傷気味になっていましたが、新たな発見に驚くばかりです。 藤田嗣治展 ~心の旅路を探る~ 大山崎山荘美術館~ まず、展示された手紙を通じて、絵で人生を表した人でることに嫉妬します。自分の思いや考えを、言葉も多く用…

職方さんのつくるもの ~茶入牙蓋~

パンデミック前から京都の象牙屋さんを3度ほど訪れて、茶入れの牙蓋を作る職方さんのお話しを聞くことをしてきました。90歳になろうかという職方さんのお話は、作り手に多くの示唆に富んだ視点が与えてくださいますので、創作の輝きが胸の奥から漲ってくる…

村上隆らのつくるもの 「もののけ京都2024」

村上隆展 ~もののけ京都~ @京セラ美術館 村上隆展を観ての印象は、楽しいテーマパークで遊んだという感覚で、これは、村上氏の狙い通りだと思います。 素直に、どの作品も「美しい」と感じたし、所謂美術展とは違う楽しみ方をする、こういった美術展も有…

本阿弥光悦のつくるもの 「土の刀剣」

本阿弥光悦作の茶碗は何度でも見たくなります。 その目的は二つあって、一つは、光悦碗を観ていると、もっと自由に生きていいんだよ、って励ましをもらえるからです。今回展示の茶碗も、そのほとんどが初めから狙っていたのではないかと思うぐらい焼成時に入…

棚田康司の木でつくるもの 

人類学者の山極寿一氏が、他の哺乳類と違って人間に白目があるのは、それでコミュニケーションをとっているのだ、と言われていたのを、今回棚田康司さんの木彫展をみて思い出しました。棚田さんは、自身の人体彫刻制作の際、杏形に開いた空間のでの黒目の位…

絵画としてつくるもの

とても好きな絵描きさんの展覧会ですので、その都度逃さず足を運んできたのですが、今回思いがけず前日にその開催を知って、またそれは小さなギャラリーでもあったので、小品がほんの数点並んでいる程度かなあと思いながら、久しぶりの出会いを楽しみに向か…

絵画としてつくり、語るもの

益村千鶴さんの絵を観に行きました。以前は某大型書店の片隅での展示でしたので、とてもせわしい鑑賞でしたので、もちろんその時は初めて実物に出会えたことでの感動を覚えていたのですが、今回、まさにこの方の作品の為に拵えたかのような空間に飾られた絵…

牡丹靖佳のつくるもの

こんな画家がいるんだなあ~、と、鑑賞中に胸のドキドキ感が止まりませんでした。 ワクワクといってもいいのか、絵を見ているときにこのような状態になることは、そう滅多とないことです。 牡丹靖佳展 ~月にのぼり、地にもぐる~ @市立伊丹ミュージアム 絵…