村上隆展を観ての印象は、楽しいテーマパークで遊んだという感覚で、これは、村上氏の狙い通りだと思います。
素直に、どの作品も「美しい」と感じたし、所謂美術展とは違う楽しみ
氏の著作である「芸術起業論」と「芸術闘争論」を読むと、今回のことがとてもよく理解できます。(私は決してこういった分野に与する考えではありませんがこの本は名著だと思います。)
それにしても、、この美しさは何でしょう・・・。画材はアクリル絵の具と書いていますが、どれだけマジかで目をこらしても、絵の具の物資感がないのです。おそらく筆ではなくシルクスクリーンなのかと思うのですが、そうするとこのような仕上げになるのかと、手業を隠して、手業の凄さを演出しているのかと感心します。
つまり、今回のタイトルを、「村上隆らの~」としたのは、確かに村上隆の作品ですが、村上隆工房として、狩野派のように一門が、総出で仕上げているからです。そして、それはとんでもない技術を持った集団だと思います。この美しさは、単に「版」を重ねるだけでは決して表れてこないものだと思います。技術と目標を高く持った多くの人間が最高のパフォーマンスを行い、最後に棟梁が押印をして仕上げているものです。
そこに妥協は一切見られませんが、しかし、表面的にはそのような努力の跡を一切見せない、そんな矜持を感じます。
そして、たった1点、棟梁のみで描き切った絵を見せつけているのも、ここ京都での永徳への挑戦を覚えました。
最後に、急ピッチで積み上げ中の屋外作品を観に、再度訪れたい、これも氏の企業作戦かと舌を巻いた次第です。😊
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